第2回「最も短い言葉でWHITE ALBUM2の愛を語るのが上手いのは君だ!」選手権 結果発表

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始めましての方は初めまして

もぎたてと申します

以後お見知りおきを

 

さて、長い長い期間を経て、ようやく結果が出ました。

大会の詳細は上記記事をご確認ください。

 

ここでは、3キャラ3賞それぞれの句とそれを読んだ方のツイッターの名前or俳号を載せさせていただきます。

また、僕が好きだと思ったいくつかの句については、私もぎたてがどう思って選句したのか少し記載させていただきました。

皆様もご自身の感覚で味わってみてはいかがでしょうか。

というお誘いです。

第1回の結果はこちら

総合最優秀特選句

元日に落ちたの電話かこの恋か  あき

総合最優秀ネタ句

パンストを破って注いでMarry me? その時々サキ

 

春ちゃん

特選

痕と涙を撫でる小春風  かやのゆみ

小春風

これは初冬の、冬の寒さがまだ本格的になり切ってないことを詠った季語です

傷や涙、なにか心に傷を負った描写

涙が攫われて、涙が持っていかれて、「あぁ、伝ってた涙がふっと視線の先に飛んで行ったな。」

そう思った時に吹いていたのは、まるで春の陽気を思わせるそんな暖かな風

冬の準備をし始めるのは生活様式だけじゃなくて、心構えもですね

「この私の涙をさらった風が吹きつける先は、春なのか、冬なのか」

 

俳句的にするなら、「撫でん」とか「撫でや」とか「涙撫でるや」とかにすると

切れ字というものが利用できて、俳句的な作品の味わいが増すかもしれません

雪の華過ぎ行く時や春隣  鮭ご飯大盛り('-' 鮭)з  

春隣

これは冬の終わりの季語

雪の華といいますか、「雪」の部分も季語ではありますが、この俳句の一番言いたいことは「春隣」

いわゆる「季重なり」という、多重に季語が入っている俳句です

一般的に季重なりはうまくいかないと言いますが、この句は上手に組み込まれてると思います

 

雪の華

これをどう捉えるかですが、雪というのは6角形の綺麗な結晶をしているので、それを見て「華」だと考える方もいますね

僕もそれだと思ってました

 

雪の華が落ちてくるんではなくて、解けるんではなくて、過ぎる

解ける様子に季節感の移り変わりを感じ取ったということでしょう

ふと季節感の移り変わりに気づいたときには、春はもう隣にいる

「ああ、いつの間にか冬も終わるんだなあ」という感慨を感じる一句

 

似てるから高く結わえる木の葉髪  エロゲおじさん@エロゲーマーさんは100%フォロバ

木の葉髪

これが季語なんですね実は

冬の初めのころ、抜け毛が増えてくることを、落ち葉にたとえた表現

 

春ちゃんの句として抜け毛の話が出てくるのは違和感はありましたが、そういうことじゃないんですよね、この句会は

「木の葉髪って季語があるんか!?これ小春ちゃんに使えるやん!」って見つけてくれたことがもう嬉しいですよね

 

俳句的にするなら、「結うなり」や「高く結う木の葉髪かな」とかで切れ字が入れれると味わいよく見えるかなと

 

春小径先行く友と巡りあう  あき

入賞

バレンタイン気高き猫が懐く夜  井ノ原一郎
委員長恋に焦がれて春を抱く  雪ノ下燐子
裏切りや小さき春に冬が来る  神楽坂冴花
小春希一年越しのさくら咲く  宮西・スペンサー・英梨々

ネタ

卒業を美穂子と共にしたかった  香風琴音
くりくりのお目め可愛い小春ちゃん  流鏑馬習う矢田美穂子
恋の傷恋で癒せと照れながら  コクトー

麻理さん

特選

缶コーヒー交わして過ごす聖夜祭  風岡リマ

聖夜祭

これがいわゆるクリスマスを指してて、季語になりますね

聖夜に交わすものが、ワインでもなく、口づけでもなく、缶コーヒー

これちょっと、作品から持ってきたとはいえ、聖夜と似つかわなさ過ぎて、俳句っぽくていいですよね

缶コーヒーを交わすなんて出来事は、毎日起こりうるありふれた日常の一つ

 

今日も今日とて、上司と部下が缶コーヒーを交わす

いつも通りの日常のはずだけど、「ああ、今日はクリスマスだったなあ。そういえば。」

そんな描写を思い起こさせる

 

実は「聖夜」で十分季語なんです

つまりここの下5は「聖夜かな」がちょうど俳句っぽさが出せる要素です

風の舞漂う花弁待雪草  鮭ご飯大盛り('-' 鮭)з
風凍る空気裂く球打ち返す  厳冬華月

 

凍る

これは冬全体で使える季語です

この凍るに「風」を足したことで、中7と下5が活きましたね

これは見事

 

人によっては「空気裂く」と「風」は意味が被っているという方がいらっしゃると思いますが

風が凍るという素敵表現を外すのもどうかと思うんですよ

 

バッティングマシーンから飛んでくる球が空気を切り裂く様に飛んでくる

そしてそれを打ち返す

書いてないものの、きっとその打ち返した球もまた、空気を切り裂いているのでしょう

ふとその球の風を感じた時に寒さを感じ、自分の周りの空気全体を凍らせていったかのように一瞬冷えたように感じた

 

もし俳句的にするなら、上5「風凍てて」とか「風凍てり」とか「風凍てや」とかそんなセレクトをしてみると、また違った味わいになるかもしれませんが

この句に関してはこのままも良いかなと

是非ご一考

元日に落ちたの電話かこの恋か  あき

元日

これが冬というよりも新年の季語です

新年の季語というのは実は扱いが難しくて、どの季語にも「めでたさ」を隠し持っているという点です

とすると、下5に「この恋か」があるおかげでかなり俳句としては締まった一句になったと思います

「もう元日であるよ。ああ、なんてめでたいのか。一年の計は元日にあり。今年はどんな一年にしようか、なろうか。」

と意気込んでいるところ

この先は皆さんも想像して鑑賞してみてください

今大会の最優秀句でした

 

この句は中8で字余りになっているんですが、声に出して読んでみてください

別にもたつく感じはなくないですか?

そう

結局は音の調べが大事なので、この感じなら字余りも僕は気になりません

むしろ十分に良いのではないでしょうか

技術がある方はこれを5・7・5に収められるのかもしれませんが

 

そして今回非常に似た投句がありました

晦日ドボンと沈む携帯よ

晦日

これも新年の季語です

こちらと合わせて鑑賞してみてください

 

入賞

クリスマス二人きりの開桜社  風岡リマ

特選1句目に非常に似通った一句です

是非2句を比べて、鑑賞してみてください

なぜ僕があちらを特選にして、こちらを入賞にしているのか

ぜひ考えてみてください

春の風優しくそよぐニューヨーク  如月かすみ
鬼上司冬の季節に春来たる  種市直行
寒い中激務を済ます美上司よ  厳冬華月 

ネタ

麻理さんのスーツ姿でマジ抜ける  初芝和也
麻理さんとやってみたいなワイン飲み  長瀬花陽
パンストを破って注いでMarry me?  その時々サキ

粉雪が舞い散る空と黒タイツ  あき

千晶

特選

名演技手負いの姫が魅せた冬  澤村倫也

姫が手負いなのが、季語「冬」にマッチしてるように感じます

「みせた」という表現も「見せた」と「魅せた」と「みせた」では変わってきますよね

「手負いが魅せる」となるとどこか艶めかしいものが伝わってくるようです

 

とすると実は「名演技」はもったいないのかもしれん

もっと手負いの姫を形容する表現でもよかったのかもしれないです

その形容表現は、中7下5で十分「名演技」を表現できていたと思うのですから

 

あと例えばですが、この俳句が悪いというわけではなく一つの提案なんですが

「手負いの姫の魅せる冬」とすると感じ方も変わってくると思いませんか?

このあたりの推敲があると、本当に自分が表現したいものが書けるのかなと思います

過去形や完了形にしてしまうのと、現在形にするのと

結構印象変りますよ

猿芝居つもりの聖夜は初舞台  その時々サキ
涙雪泉のごとく出づる夜  神楽坂冴花
抱き寄せた薄雪残る猫の肩  あき

入賞

掃除機の音で目覚めし猫の恋  冷凍みかん食べる?
イヴの雪散ったセツナに舞う千晶  その時々サキ
痕跡を何も残さぬ鶴美人  厳冬華月 
偽りを抱いて笑みし冬狐  厳冬華月

ネタ

千晶のさサンタコスまじ可愛いよ  コミーユ
トリッキーヒロイン和泉千晶ちゃん  澤村倫也
見てみたい千晶が泥酔してるとこ  澤村倫也
千晶ちゃん俺も墜としてくれないか  千晶ガチ勢

今後の展開について

まずこちら

大変ありがたいです

面倒くさがりなので、専用アカウントなんて運用できないので

今まで通り、僕の個人アカウントから情報発信します

続いて

結構今回開催でも散見されたんですが

気づかんかった、知らんかったという方

そのあたりの救済のために、直接連絡するのもありかなと思ったんですが

いやな人もいるのでちょっと悩みどころ

また考えたら展開します

これは意外や意外

お題ありだと不自由だと思ってたんですが、思ったよりも楽しんでもらってたみたいです

今後もお題ありきの開催になると思いますが、フリー派の救済も考え中です

制限に関しては微妙

ただ、「むやみやたらに投句してもー」とはちょっと思ってて

せっかくやるならいい作品にしてもらいたいという気持ちもあるので、推敲する意欲を出すためにも投句制限を設けていました

ここは要検討案件です

僕の俳句もまぎれさせてもよさそうな反応で嬉しいですが

もぎたてなんて、簡単に蹴散らすという気持ちの表れかもと思うと戦々恐々としています

何はともあれ、何かしらの形で次回以降僕も参加できたらと思っていますので、ここも要検討です

 

次回開催時期は僕にも未定です

次あう時まで、ごきげんよう